目次
序 科学と宗教──スピリチュアルなナショナリズム(一八四八─一九一八)<br>1 心霊主義と隠秘主義<br>2 インド国民会議<br>3 アニーとアンナ<br>4 ベサントのインド<br><br>第一章肉食と菜食──ガンディーの大英帝国(一八八八─九一)<br>1 グジャラート商人の名家の出<br>2 母との約束<br>3 最上のヒンドゥー教<br>4 科学時代の普遍宗教<br><br>第二章親英から反英へ──ガンディーの南アフリカ(一八九三─一九一四)<br>1 南アフリカへの渡航<br>2 南アフリカの秘教思想<br>3 ヒンドゥー教とキリスト教<br>4 ヒンドゥー化する思想<br><br>第三章エリートと大衆──ガンディーのインド(一九一五─四八)<br>1 本格的な帰還<br>2 マハートマでむすばれる<br>3 両大戦間の試行錯誤<br>4 インド独立<br><br>第四章オリエンタリズムとナショナリズム──東と西のすれ違い(一九四八─)<br>1 イメージ戦略<br>2 キリスト教聖人化<br>3 破られるタブー<br>4 非暴力と日本──東と東のすれ違い<br>
内容説明
誰もが知る偉人マハトマ・ガンディーの「非暴力」思想はいかにして誕生したのか。インドの宗教思想に通暁した著者が、近年の新しい研究成果もふんだんに盛り込みつつ、なぜガンディーは今もって普遍的であり続けるのか、没後70年を期にその秘密を解き明かす。知られざるガンディーの若き日の活動や交遊関係をはじめ、当時傾倒していた20世紀初頭の秘教思想を中心とした思想潮流からの影響をたどり直し、その思想の根源を明らかにしようとする画期的評伝。